企業がプロジェクトを通して成果を上げる際に、その目標達成レベルを決定づける2つの因子があります。
これから紹介するマネジメント手法では、この成果を決定づける因子を「制約」とよび、マネジメントの最重点ポイントとします。
この「制約」を中心にプロジェクトのマネジメントを行う手法は、TOC-CCPM(ティーオーシー シーシーピーエム)と呼ばれています。
以下、TOC-CCPMについて簡単に説明をします。
【TOCとは?】
まず、TOCとは、Theory of Constraints の略で、一般に「制約条件の理論」あるいは「制約理論」と訳され、「ティーオーシー」または(まれに)「トック」と呼ばれます。
TOCの中心的コンセプトは、その名に示す通り「システム(組織)の目標達成レベルを決定づけるごく少数のコントロールポイント;“制約(Constraints)”を通じて、システム全体の成果向上を図る」というものです。
プロジェクトを通して経済的成果を上げる企業を一つのシステムととらえるならば、そのシステムの制約は第一に市場(顧客からの注文)としています。
顧客からの注文が少なければ会社の業績は低下しますし、その逆に多ければ業績は向上します。
確かに会社の経済的成果の決定的な因子といえそうです。
そして、第二の制約は(プロジェクトを完成させるための)時間としています。
プロジェクトにかかる時間が長ければ長いほどプロジェクト型生産の商品やサービスの売上げ計上が遅れたり、プロジェクトで開発される新製品の販売機会が失われます。
その逆に時間が短ければ、プロジェクトそのものの売上げ計上が早まり、新製品の市場投入も早まり販売機会が広がります。
こちらも会社の経済的成果の決定的な因子といえそうです。
TOCによってプロジェクト型生産企業のマネジメントを行うということは、この2つの制約を通して企業の業績向上のためにマネジメントを行うということです。
【CCPMとは?】
次にCCPMとは、Critical Chain Project Management の略で、一般に「シーシーピーエム」または「クリティカルチェーン」と呼ばれています。
「クリティカルチェーン」とは、(別途詳述しますが)「クリティカルパス」の概念をより現実的に修正した考え方です。
「クリティカルチェーン」という言葉が使われている時点で、TOCの考え方に基づいてプロジェクト・マネジメントを行うという意味を含んでいます。(TOCを強調するために「TOC-CCPM」と表記されることが多いですが、「CCPM」だけでも基本的には同じ意味です。)
プロジェクトの計画・実行の中で、第一の制約である顧客の注文をいつ届けることができるのかを決定づけ、また第二の「制約」である時間をもっとも拘束するモノは、「クリティカルチェーン」(従来のプロジェクトマネジメント手法では「クリティカルパス」)です。
したがって、TOCによってプロジェクトのマネジメントを行うということは、この2つの制約を通して企業の業績向上を図るために、クリティカルチェーンに集中してプロジェクトのマネジメントを行うということです。
具体的にどのように行うのかは、別途詳しく述べることにします。
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