ゴールドラットスクールが発行したCCPMの本の紹介です。
現在市販されている本の中では、CCPMに関するもっとも最新の知識が詰め込まれています。
残念ながら、英語でしか出版されていませんし、販売ルートも限られているため、まずは中身をレポートしたいと思います。
本購入の参考になれば幸いです。
なにぶん、英語力に万全の自信はありませんので、読み違いなどによるおかしな記述があれば是非ご指摘ください。
この本は、ゴールドラットスクールの世界に散らばるメンバーが、それぞれ記事を提供しています。
第1章 基礎編
1、CCPM ー シングルプロジェクトのマネジメントを改善するためのTOCソリューションと、TOCの知識を構造化し、TOCのアプリケーションを開発する”U-shape(ユーシェイプ)”の利用
著者;Oded Cohen
ゴールドラットスクールの標準テキストに沿って、CCPMの9つのインジェクションの解説、そしてU-shapeの解説をしています。
世界で活躍するゴールドラットスクールのTOCコンサルタントが現在標準としているやり方です。
特に、CCPMを9つのモジュールに分割したところに意味があります。
このモジュールはそれぞれが、1)解決する問題、2)実現する良い状態、3)負の副作用と対応しており、一つだけでも、効果があります。
これらを一つずつ着実に導入を進めることで、どんどん成果が高まっていく構造になっています。
余談;長期的なメリットを得るために、最初に短期的なメリットを確実に得なければならないという考え方は、『ザ・ゴール』シリーズ3作目『チェンジ・ザ・ルール』でも描かれていましたね。
モジュール化はそれを可能にしました。長期的な目標を明確に持ちながら、短期的な成果を確実に得る。
導入プロジェクトのモチベーションを保つ上でも、短期間で何らかの成果が出ることは重要です。
2、製品開発プロジェクト;新製品のポテンシャル評価のためのガイドラインとプロジェクトの様々な特徴の計画
著者;Eli Schragenheim
本著者は、先にも紹介した『チェンジ・ザ・ルール』の共著者でもあります。
本稿では、その『チェンジ・ザ・ルール』の中で指摘された重要な視点(6つの質問)に基づいて、CCPMのカバーするマネジメントのエリア以前の問題ーそもそもどのプロジェクトを始めるのか?などについて、述べています。
本HPの趣旨にも通じますが「そもそもそのプロジェクトは何のために行うのか?」という点が曖昧では意味がありません。まずは、そのプロジェクトの顧客の価値を起点にプロジェクトを考えなければならないという点は、まさにという思いがあります。
それが『チェンジ・ザ・ルール』の中で書かれていたということで、慌てて読み直しましたが、なるほど、まだまだ私も読み方が浅かったですね。
『チェンジ・ザ・ルール』とあわせて読むと、いろいろと考えが広がる論文です。
第2章 導入
3、CCPM導入の実践面 ー 導入手続きの例
著者;Jerena Fedurko
CCPM導入をスムーズに行い、すばやく成果を得るために、導入準備と実際の導入においてどんなことが重要なのか、豊富な導入経験を持つ著者が書いています。
また、導入に役立つ業務手続き(プロシージャー)の作成例が載っています。
基本的に、Odedさん開発のU-shapeに基づく導入方法(9つのインジェクション)に従った記述になっていますので、第1章とあわせて読むことをおすすめします。
プロシージャーは「ここまで載せてしまうのか!」と驚いたくらいです。コンサルタントの方は、これ見たら焦る人が多いのではないかと思います。少なくともクライアントより先に見ておいた方が良いですよ^^;
また、本格的に導入を目指している方は、これを参考にプロシージャーをまとめると良いでしょう。
導入を成功させるための留意事項なども書かれており、大変参考になる論文です。
CCPMをちゃんとやりたいひと必読。
さすがエレナさんと感服。
第3章 応用開発
前半では、ゴールドラットスクールが現在教育の標準にしているU-shapeの話題が中心でしたが、ここからは(ゴールドラットコンサルティングが主に使っている)”S&Tツリー”によるCCPM導入事例になります。
CCPMがモジュール化されていることは同じなのですが、順序や言葉が違ったりするので、少し混乱します。
CCPMの初学者の方には少しわかりにくいかもしれませんが、いずれにしろ、S&Tツリーが実際にどのように用いられているのかを知るためには良い資料です。
4、台湾での事例;TOC-CCPM S&Tツリーを使って、新製品開発プロジェクトで素早い改善を行った
著者;Yunn-Jin (Gordon) Hwang, Yu Min (Mia) Chang, Rong Kwei Li
5、TOCのコンセプトから開発された戦略的プロジェクトマネジメント・ソリューション
著者;Philip J. Viljoen
6、台湾のマシンツール産業に対するプロジェクトマネジメントの調査
著者;Frances Su
第4章 学術的事例研究
論文研究の中で日本における取り組みが紹介されています。
日本におけるCCPMの普及状況を勘違いしているような記述もあり、日本から発信する情報の精度に疑問がもたれるのではないかと心配します。
ゴールドラット博士から、公式の場で”喝”を入れられる以前の記述ですから無理もありませんが。。
7、CCPMの理論と実践
著者;Roy Straton
8、コロンビアの経験豊富なコンサルティング会社によるCCPMゴールドラット・WEBキャストシリーズの利用
著者;Alejandro Fernandez
第5章 教育ツール
9、ゲームで学ぶプロジェクトマネジメント・システム理論
著者;James R Holt
プロジェクトマネジメントの問題とその解決策の効果を知るためのゲームを3つ紹介しています。
システム内への仕事の詰め込みすぎの問題を理解するための”ジョブ・ショップ・ゲーム”
タスクの見積もりに安全余裕を取ってしまう問題を理解するための”6ゲーム”
合流工程が同期しないことで全体が遅れる問題を理解するための”組み立てゲーム”
それぞれ簡単なゲームですが、伝えるメッセージが明確で良いゲームだと思います。
使えます!
以上、私見満載になりましたがレポート致しました。
本書購入の参考になれば幸いです。
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